私が働き始めたのは、昭和の最後の時代です。その頃は毎年お給料は自然に上がるものだと思っていました。将来に対しても特に大きな不安はなく、楽観的にかまえて生きていたような気がします。
今、非正規雇用が4割に達しています。今の若い人たちは、私の若い頃のような、そんな楽観的な未来はとても想像できないでしょう。早くから一生懸命就活をしてもなかなか正規採用されずに、非正規で働かざるを得ない若者がいます。
私には40代になったばかりの息子がおりますが、彼もまた大学を出てから、この十数年間、ずっと非正規です。生活はなかなか安定しなくて、何回も転職を繰り返しました。今は非正規ながら、肌にあった福祉の仕事についていますが、それでも仕事はシフト制、お給料も安く、なかなか結婚して子どもを持とうという気持ちにはなれないようです。
非正規雇用が半数近くになる今、非正規でも、もっと安定した収入で地元に根を張って生きていける、安心して結婚して、安心して子どもを育てていける、そんな収入の保障が必要ではないでしょうか。そして少子化にも歯止めをかける必要があります。
今、青森県の最低賃金、全国最低の部類です。先日32円のアップが決まりましたが、それでも青森県の最低賃金は853円。この853円の時給で一カ月コツコツと働いても、月収は14万円に満たない金額。これで憲法で保障された「健康で文化的な生活」が営めるでしょうか。趣味を持ったり、安心して結婚して、安心して子どもを育てていける金額でしょうか。
私はこの最低賃金、全国一律で1500円まで引き上げてほしいと思います。同時に、中小零細企業に対しての充分な支援策を一体的に行う。そうやって地方でも賃金の底上げをはかり、地域経済を活性化させる。そうやって、社会全体で経済を回していく。人口の減少が問題となっている青森ですが、若い人が希望をもって地元に根を張って働き、安心して子育てができる、そういう環境を青森市に作りだしていきたいと思います。非正規雇用が4割にも達する今、そんな思い切った政策の転換が必要ではないでしょうか。